平成28年10月 平成28年度第2次補正予算が成立しました
日毎に寒気加わる時節となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。
平成28年度第二次補正予算が、第192回国会にて10月11日に成立いたしました。この補正予算は、7月の「未来への投資を実現する経済対策(案)について」でご報告した、安倍内閣の経済対策案を具体的に、実現するためのものとなっています。
7月と重なる部分もありますが、第2次補正予算における国費の追加額、歳出の追加、歳出の減額がどのように行われたかについてご説明します。
経済対策の実行に伴う国費の追加額は4兆5,221億円
第2次補正予算では、経済対策の実行のため次のような国費の追加を行います。
- 一億総活躍社会の実現の加速、7,137億円
- 保育・介護人材確保や保育の受け皿整備等の子育て・介護の環境整備等に2,770億円。若者の支援拡充、女性活躍の推進のために200億円。社会全体の所得や消費の底上げのため、若者の既存住宅取得支援、耐震性省エネを備えた住宅リフォーム建て替え支援、低所得者向け臨時福祉給付金(3,673億円)など、に4,167億円。
- 21世紀型のインフラ整備、1兆4,056億円
- 外国人観光客増加に向けた空港等のインフラ整備に1,001億円。農林水産物の輸出促進や競争力強化に4,317億円。リニア中央新幹線や整備新幹線等の整備促進、道路整備、国際コンテナ戦略港湾整備に3,212億円。日本企業のインフラ輸出支援等に3,624億円。生産性向上に向けた取組として、医療の研究開発、宇宙関連の開発等に1,903億円。
- 英国のEU離脱に伴う不安定性などのリスクへの対応並びに中小企業・小規模事業者及び地方の支援、4,340億円
- 中小企業・小規模事業者の経営力強化・生産性向上支援に1,176億円。資金繰り支援のための貸付けを推進するための出資に1,539億円。地方創生推進のための交付金創設、水質安全対策、耐震化整備に1,625億円。
- 熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化、1兆9,688億円
- 熊本地震からの復旧・復興に4,139億円。東日本大震災からの復興の加速化のため除染の加速化等に5,456億円。災害対応の強化・老朽化対策のため、耐震化等に8,049億円。海上保安体制の構築、自衛隊の安定的な運用体制の強化、出入国管理の整備等に2,044億円。
この追加額については、一般会計に3兆9,871億円が、特別会計(東日本大震災復興特別会計・労働保険特別会計・自動車安全特別会計)に5,350億円が、それぞれ計上されています。
一般会計歳入の追加の大部分は建設公債で
上の国費の追加をまかなうための財源として、一般会計歳入として建設国債を2兆7,500億円増額します。また税外収入としてNTT株の売却収入などから2,844億円を増額修正、27年度決算剰余金として2,525億円を受け入れます。
一般会計歳出では既定経費のうち8,275億円を減額
一般会計歳出では、先の追加経済対策に係る経費と東日本大震災復興特別会計への繰入、合わせて4兆1,143億円を28年度本予算に追加する一方、既定の経費を8,275億円減額します。
減額の内訳は以下の内容になります。
- 国債費の利払費を4,175億円減額
- 当初予算における想定金利1.6%が実勢金利0.1%(平成28年7月末時点)となったため。
- 熊本地震復旧等予備費7,000億円を4,100億円減額
- ただし本補正予算において熊本地震からの復旧・復興に4,139億円が新たに計上されています。
財政投融資
財投債の発行などにより調達した資金を財源とした、長期、低利の資金供給、大規模超長期プロジェクトの実現のための投融資である財政投融資については3兆6,022億円の追加を行います(2,590億円は一般会計歳出との重複となります)。尚、3兆円超の追加は、平成23年度補正予算以来となります。
主な内訳は以下の内容になります。
- リニア中央新幹線の全線開業前倒し、1兆5,000億円
- 整備新幹線の整備の加速化、8,279億円
- 高効率火力発電所建設等の日本企業の海外インフラ展開支援、2,000億円
- 中小企業・小規模事業者の資金繰り支援、1,000億円
政府では、事業規模28.1兆円となる本補正予算を含む経済対策について、実質GDP押上げ効果をおおむね1.3%程度と見込んでいます。
私も、この平成28年度第2次補正予算を日本の未来を切り開くものとするべく取り組んで参ります。