平成30年5月度 所有者不明土地問題「記者会見と政府申し入れ」、「所属委員会開催状況」、「TPP11」
所有者不明土地に関する特命委員会 記者会見
「所有者不明土地等に関する特命委員会」で議論を重ねてきた公共のための利活用を促進するための第1歩としての『土地は利用するためにある』と題した取りまとめがまとまり、党本部において野田毅特命委員長、井林辰憲事務局長とともに記者会見に臨みました。記者会見では野田毅委員長より経過報告があり、記者の皆さんと質疑応答を行いました。第1段階としての法改正は今国会に提出されます。
今後の課題は、登記簿や戸籍等を一括管理して所有者の死亡情報を共有し、相続時の登記漏れを防止するための「マイナンバーなどによる土地情報の管理」(法改正)、所有者不明土地の増加抑止のための「相続登記の義務化」(手数料負担の軽減)等が挙げられます。順次国会に提出していきたいと思います。
~土地は利用するためにある~ 政府に申し入れ
党本部での記者会見に続き、「所有者不明土地等に関する特命委員会」で取りまとめた『土地は利用するためにある』と題した提言を政府に提出するため、総理大臣官邸において菅義偉官房長官に申し入れを行いました。
所属委員会の開催状況
私の所属委員会は①決算委員会(理事)②内閣委員会③国民生活経済に関する調査会④東日本震災復興特別委員会です。中でも決算委員会は、参議院のみに設置される委員会で「決算の参議院」といわれる程、予算委員会と並んで重要な委員会となっています。
5月は、30年度予算が3月に成立したのを受けて、衆参両院の各委員会で、山積する諸課題(法改正等)の本格的な審議が本会議の合間を縫って始まりました。活発な議論を経て委員会で採決が終了した法案は参議院本会議に上程されて可決・成立となります。また参議院が先議の法律案は可決後衆議院に送られ、衆議院で審議の上、可決・成立となります。
5月の所属委員会の開催状況は以下の通りです。
7日 | 決算委員会理事会 | 21日 | 決算委員会理事会 | |
決算委員会 | 決算委員会 | |||
9日 | 国民生活経済に関する調査会 | 22日 | 内閣委員会・文教委員会連合審査 | |
本会議 | 23日 | 本会議 | ||
11日 | 東日本震災復興特別委員会 | 24日 | 内閣委員会 | |
本会議 | 25日 | 本会議 | ||
15日 | 内閣委員会 | 28日 | 決算委員会理事会 | |
16日 | 決算委員会理事懇談会 | 29日 | 内閣委員会 | |
本会議 | 30日 | 本会議 | ||
17日 | 内閣委員会 | 31日 | 内閣委員会 | |
18日 | 本会議 |
TPP11が衆議院通過
米国を除く環太平洋パートナーシップ(TPP)協定参加11カ国の新協定「TPP11」の承認案が5月18日の衆議院本会議において与党と日本維新の会、希望の党の賛成多数で承認され、参議院に送付されました。承認案について憲法の衆院優越規定により、条約は参議院の議決がなくても衆議院通過後30日で自然承認されるため、6月20日の今国会会期末までの承認が確実になりました。新協定締結の前提となる関連法案は、5月18日に茂木敏充経済再生担当相に対する不信任案が提出され、審議が一時止まりましたが、この不信任案は22日の衆議院本会議で否決され、その後24日の同本会議で関連法案は賛成多数で可決され、TPP発効に向けた日本の手続きが前進しました。
日本の全貿易品目(9321品目)のうち、TPPで最終的に関税をなくす割合・撤廃率は約95%です。今後は工業製品の輸出増や農産物・衣料などの輸入品の価格低下が見込まれます。
TPPは関税の全面撤廃が原則であり、署名国の最終的な関税撤廃率(品目数ベース)が約99%となる中、日本は最も低い約95%に止まりました。特に農林水産品については、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の「重要5品目」を中心に、農林水産品の2割を関税撤廃の例外(撤廃率82.3%)にすることが出来ました。
価格低下の影響で農林水産業の生産額の減少が予想されますが、政府の対策によって生産量は維持され、農家の所得は確保されます。逆に生産者とっては、輸出される際の関税の大半が撤廃されることから、海外で人気のある和牛や果物、日本酒、醤油、ブリやサバ等の水産物の輸出拡大が期待されます。
一方、日本の強みである工業製品の輸出拡大は、大きく期待されます。日本がTPPに参加する10カ国に輸出する工業製品の関税は、協定発効後、即時撤廃されるものと段階的に引き下げられるものを合わせて最終的に全品目の99.9%で撤廃されます。
「TPP11」協定は、国内のサービス業、製造業だけでなく、農林水産業も活性化でき、経済成長に大きく資するものと考えます。更にはEU(ヨーロッパ連合)とのEPA(経済連携協定)やアジア太平洋地域の16カ国によるRCEP(東アジア地域包括的経済連携)と合わせ、経済連携協定を積極的に実現することによって自由貿易を柱とした確かな経済成長につなげていきます。