平成30年3月度 内閣委員会報告 他
【 所有者不明土地の円滑化等に関する特別措置法 】
3月9日 閣議決定 !!
私がライフワークの一つとして取り組んできた『所有者不明土地問題対策』の法律案が閣議決定をされました。問題意識の共有を図るため、まず平成28年10月に「所有者不明土地問題に関する議員懇談会」を設立し議論を進めました。そして平成29年4月に提言書を官邸、自民党政務調査会長宛てに提出しました。大変重要な問題であるとのことからその後、党の正式機関として「所有者不明土地等に関する特命委員会」に格上げ発足し、全党的に議論を進めてきました。
さらに平成29年12月4日の参議院本会議での私の代表質問において、安倍総理から所有者不明土地等に関する問題は「早急に対処しなければならない課題であり、次期通常国会に解消に向けた関係法律を提出する」とのお答えがありました。
現在も特命委員会は今後に向けた審議を続けており、閣議決定されたことは、第一段階として国会審議に向けた第一歩が踏み出せたものと大変うれしく思います。
《 第85回「自由民主党 党大会」 》
桜が満開の中、3月25日自由民主党 党大会が開催されました。
安倍総裁からは「結党以来の課題に取り組むときが来た」として「新たな国創り」に向けての熱き思いが力強く訴えられました。 また大会では、平昌冬季オリンピックスピードスケートで金・銀・銅の3つのメダルを獲得した高木美帆さんと橋本聖子参議院議員会長との対談や、友党公明党の山口那津男代表、日本経済団体連合会の榊原定征会長からご挨拶をいただき盛会のうちに終了いたしました。
【 内閣委員会で質問 ~予算委員会からの委嘱審査~ 】
3月23日(金)内閣委員会で質問の機会をいただき、松山政司・内閣府少子化担当大臣、総務省、財務省に対して質問を行いました。今回の質問は、予算委員会からの委嘱審査で、松山大臣には、仕事と子育ての両立支援、待機児童対策のための「企業主導型保育事業」による「保育所の設置」の件、 総務省には「競争契約参加資格審査・全省庁統一資格における業者区分の明確化」の件、財務省には「国有財産の売払いの現状」と「売り払い用地の利用目的及びその土地の適正」について尋ね、さらに検討する旨答弁がありました。
「企業主導型保育事業」による保育所の設置についての質問
午前中、「子ども子育て支援法の一部を改正する法律案」の趣旨説明が本会議で行われた訳ですが、過日の報道によるとJR千葉駅に4月1日に開園する隣接の市原市、四街道市との三市連携による初めての駅ビル保育園や、東京都議会議事堂に設置された"とちょう保育園"は、民間事業者等における地域に開放した事業所内保育所のシンボル的な取組として待機児童解消を進める施設として期待されています。 立地は、子育て支援の一環として通勤の行き帰りに立ち寄りやすい場所にあり、育児期にある職員が仕事に専念できる職場環境づくりにも役立っています。また形態は企業型を含め現在多様化してきており、柔軟な保育サービスも始まっています。
そこで現状を踏まえ企業主導型保育事業のこれまでの取組と今後の方針について大臣の御見解を伺います。
【内閣府・松山大臣の答弁】
平成28年度に創設された企業主導型保育事業により、これまでに7万人分の受皿確保に取り組んでいる。平成30年度は新たに2万人分を整備する。中小企業が設置する施設運営費の負担軽減を実施し、複数企業が一緒に運営する形態も推進して、仕事と子育ての両立支援、待機児童対策において、使い勝手の良い状況に持っていきたい。
【内閣府への要望】
新規開設の企業主導型保育事業への助成だけでなく、ニーズの高い既に運用している企業主導型保育園への、定員を増やすための施設整備費等の助成を十分に検討してもらいたい旨要望。
「競争契約参加資格審査と
全省庁統一資格における業者区分明確化」についての質問
登記簿に関する法制度では、地方自治体に係る登記業務は自治体職員が自ら行うことになっていますが、定員適正化計画による定員減少によりマンパワー不足が指摘されています。昨年3月に取りまとめられた「所有者の所在の把握が難しい土地に関する探索・利活用のためのガイドライン」では、地方自治体の負担軽減策として「士業」(サムライ業)に外注する取組が掲げられております。国においては登記業務等の外注が「全省庁共通の全省庁統一資格」の下、資格審査が行われ、実施されていますが、概要を伺います。
【吉岡てつを・総務省大臣官房審議官の答弁】
平成13年度より国の機関が行う物品や役務の一般競争入札への参加は、いずれかの省庁の受付窓口に申請し登録されることにより全省庁に共通して使える資格が得られる。
現在の統一資格は、物品製造、物品販売、役務の提供等及び物品買受けの4種類に分類され、さらに種類ごとに業務区分を設定している。
【質問】
千葉県鎌ケ谷市では、空き家問題解決に「士業団体」と業務提携をしています。これは不足するマンパワーを士業の人たちに補ってもらおうという考えだと思いますが、空き家を含め所有者不明土地が増大する中で、この管理や境界画定、登記手続きの面で士業の皆さんに頼らざるを得ないのが現状です。そこで種類ごとに設定された業務区分に新たな区分創設が必要と考えます。
現在、登記業務等は「全省庁統一資格の役務の提供の中のその他」で位置づけられていますが、明確化されていません。新たな業種区分として『専門技術サービス業』を設け、この中に個人資格を得ている「士業」の方々や企業・団体を束ねることで効果的な業務遂行となると考えるが御所見を伺います。
【吉岡てつを・総務省大臣官房審議官の答弁】
登記業務等は「全省庁統一資格における契約の種類のうち、役務の提供等に該当」する。役務の提供の業種区分は14の業種と「その他」と合わせて15あり、登記業務等は「その他」として整理されている。新たに『専門技術サービス業』といった業種を設けることは、競争参加資格に直ちに影響を与えるとは思わないが、その必要性について各省庁の意見を聞いた上で検討する。
「国有財産の払下げの現状」と
「払下げ用地の利用目的及びその土地の適正」についての質問
国有地払下げに関する課題について問題発覚当時から腑に落ちない点があり、1問だけ伺います。財務省は国有財産について売却等を通じて国の財政に貢献するとともに、地域や社会のニーズに対応した有効活用を図っていく必要があるとしており、未利用地、国有地等については「未利用国有地等の管理処分方針について」に基づき、公用、公共用利用優先を原則に速やかにかつ公明で公正な手続きによって売払い又は貸付けを行うこととしています。年間の払い下げ事案が何件あるのか教えてください。
【市川健太・財務省理財局審議官の答弁】
国有地の大宗を占める財務省所管一般会計所属の国有地払い下げは、平成26年度は4,503件、27年度は4,293件、28年度で4,327件。
【質問】
財務省所管一般会計だけでこの数字になることに驚きました。今回の「森友学園の土地」は、過去に航空機騒音により生じる障害が特に著しい地域に指定され、更には2013年4月に形質変更時要届出区域(土壌汚染があるものの、その土壌中の特定有害物質が原因で健康被害が生ずるおそれがない区域)に指定されています。
(この問題発覚当時から一つ腑に落ちない点があります。それは、)この用地を小学校用地として払い下げしたわけですが、本当に地域や社会のニーズ、公用、公共の利用優先だったのか、私は適地と思えないが、財務省の見解を伺います。
【市川健太・財務省理財局審議官の答弁】
本地は公用、公共用の利用を優先する国友財産処分の考え方の下、手続きに従い一般競争入札に付す前に、地方公共団体、学校法人、社会福祉法人等から取得要望を受け付けた土地である。森友学園は、本地が過去に騒音区域に指定され土壌汚染があることを了解、承知の上で取得する意向を示し、手続きが開始された。文部科学省の小学校施設整備指針にも危険な埋設物や汚染のない土壌であることが重要とされ、ご指摘の通り。
実際このような土地がこれまで学校用地として使用されたこともあり、森友学園も平成27年には土壌改良、埋設物撤去工事をしている。一般には、国においてあらかじめ土壌対策を実施してから処分することになっているが、そうでない場合は、汚染があることを明示した上で売却処分を実施し、取得者が必要となる汚染対策を行い、その費用を土地代金から差し引くということが一般的である。森友学園の場合、売却か貸し付けかの違いはあれ、この考え方によって処理したもの。
【財務省への要望】
数多い物件を処理するわけですが、基本は公用の用に供するということで、この辺のセーフティネットとしての対応について、今後是非研究、検討を重ねていただきたいと思います。